
玄関が鬼門(北東)で不安な方へ。鬼門の意味、誤解、運気を守るための5つの対策(掃除、盛り塩、鏡、照明、マット)を具体的に紹介。NG行動も。正しい知識で鬼門玄関も安心の空間に。
はじめに

「我が家の玄関は鬼門(北東)にあるのですが、大丈夫でしょうか?」 このようなご相談は、風水鑑定において非常によく寄せられます。鬼門という言葉の響きから、何か不吉なことが起こるのではないかと、漠然とした不安を感じていらっしゃる方は少なくありません。
「玄関が鬼門にある=不吉」ではない
まず、最もお伝えしたいのは、「玄関が鬼門にあるからといって、必ずしも不吉なわけではない」ということです。鬼門は確かに風水において注意が必要な方位ですが、それは「悪い方位」という意味ではありません。
正しい知識と対策で、運気は整えられる
鬼門はエネルギーの変化が起こりやすい、デリケートな方位であると捉えてください。だからこそ、他の場所よりも少し丁寧に扱い、環境を整えることで、マイナスの影響を避け、むしろ安定した運気を保つことが可能なのです。大切なのは、いたずらに恐れるのではなく、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることです。
本記事の目的と読みどころ
この記事では、風水の観点から「鬼門」とは何か、なぜ玄関が重要なのかを解説し、よくある誤解を解き明かします。そして、鬼門の玄関であっても運気を守り、安心して暮らすための具体的な5つの対策を、理由や注意点とともに詳しくご紹介します。この記事を読み終える頃には、鬼門玄関への不安が和らぎ、前向きな気持ちで玄関の環境づくりに取り組めるようになっているはずです。
鬼門とは?なぜ気にされるのか

まず、対策を講じる前に、「鬼門」について正しく理解しておきましょう。
鬼門・裏鬼門の基本的な意味と由来
風水や家相において、「鬼門(きもん)」とは家の中心から見て北東(艮:うしとら)の方位を指します。そして、その反対側の南西(坤:ひつじさる)の方位を「裏鬼門(うらきもん)」と呼びます。
これらの言葉は、古代中国の思想や日本の陰陽道に由来すると言われています。昔から、北東は「鬼(邪気や災い)が出入りする門」と考えられ、変化が起こりやすく、不安定になりやすい方位とされてきました。そのため、家を建てる際などには、鬼門や裏鬼門にあたる場所に玄関や水回り(トイレ、キッチン、浴室など)を設けるのは避けるべき、という考え方が広まりました。
北東の方角が「気の入り口」とされる理由
北東は、風水では一日の終わり(夜)から始まり(朝)へ、季節で言えば冬から春へと移り変わる境界にあたり、「変化」のエネルギーが強い方位とされます。陰の気が極まり、陽の気へと転じる場所であるため、エネルギーの出入りが激しく、気が不安定になりやすいと考えられているのです。これが、鬼門が「気の入り口」や「変化が起こりやすい場所」とされる所以です。
家の中でも特に玄関が重要視される理由
家全体の運気に大きな影響を与える場所として、風水では特に「玄関」を重要視します。玄関は、外から良い気(旺気:おうき)を取り込み、家の中に循環させるための入り口だからです。
人の出入りはもちろん、「気」の出入り口でもある玄関が、エネルギー的にデリケートな鬼門にある場合、その影響は家全体に及びやすいと考えられます。そのため、鬼門玄関は特に注意を払い、常に清浄で明るい状態を保つことが推奨されるのです。
玄関が鬼門でも大丈夫!よくある誤解とその真実

鬼門玄関について、多くの方が抱いている不安や誤解を解き、正しい認識を持つことが大切です。
鬼門=必ず悪影響、ではない
最も大きな誤解は、「鬼門玄関は絶対に悪い」「不幸が訪れる」という思い込みです。前述の通り、鬼門は「変化が起こりやすいデリケートな方位」であり、「絶対的な凶相」ではありません。
確かに、手入れが行き届かず、不衛生な状態であれば、鬼門の持つ不安定なエネルギーが悪影響として現れやすくなる可能性はあります。しかし、それは鬼門に限らず、どの方位の玄関であっても同じことが言えます。
運気を下げるのは「方角」よりも「環境の乱れ」
風水で最も重要なのは、方位そのものよりも、その場所が「どのように整えられているか」です。鬼門玄関であっても、常に清潔で、明るく、整理整頓されていれば、悪い気が溜まるのを防ぎ、むしろ安定した気を保つことができます。
逆に、たとえ吉方位とされる玄関であっても、ゴミが放置されていたり、靴が散乱していたり、暗くジメジメしていたりすれば、運気は確実に下がってしまいます。問題の本質は「方角」ではなく、「環境の乱れ」にあるのです。
実は気をつければ「守りの場所」にもなる
鬼門は、丁寧に扱い、清浄に保つことで、悪い気の侵入を防ぐ「守りの要」となり得る場所でもあります。エネルギーの変化が大きい場所だからこそ、意識的に整えることで、外部からの邪気に対するバリアのような役割を果たしてくれる可能性があるのです。
鬼門玄関であることをネガティブに捉えるのではなく、「特に気を配るべき大切な場所」と認識を改め、積極的に環境を整えていくことが、運気を守る鍵となります。
風水で運気を守るための5つの対策
では、具体的に鬼門玄関で運気を守るために、どのような対策を講じれば良いのでしょうか。今日から実践できる5つの方法をご紹介します。
清潔第一|玄関の掃除と整理整頓を徹底する

玄関は気の入り口です。汚れやホコリ、不要な物は「邪気」となり、良い気の流れを妨げます。特に鬼門は気が滞りやすいため、清潔を保つことが最も基本的な対策となります。
具体的なやり方
- 毎日の掃除:
たたき(土間)は掃き掃除や拭き掃除を習慣にしましょう。靴の裏についた泥や砂もこまめに取り除きます。 - 靴の整理:
出しっぱなしにする靴は、家族の人数分まで、あるいは1人1足までと決め、それ以外は靴箱にしまいます。靴箱の中も定期的に整理・清掃します。 - 不要な物を置かない:
傘立て以外の傘、古い新聞、段ボール、使わないベビーカーなどを玄関に放置しないようにします。
注意点
- 靴箱の中がカビ臭かったり、湿気がこもっていたりしないように、換気や除湿を心がけましょう。
- たたきに水を流して掃除する場合は、湿気が残らないよう、しっかりと乾燥させることが大切です。
盛り塩や白い花で気を浄化する

塩には古来より、場を清め、邪気を払う力があるとされています。また、白い色は浄化の色であり、生花は「生気」をもたらし、空間のエネルギーを高めます。鬼門の持つ不安定な気を浄化し、清浄な状態を保つのに役立ちます。
具体的なやり方
- 盛り塩:
小皿に円錐形または八角錐に盛った粗塩を、玄関のたたきの隅(左右どちらか、または両方)に置きます。定期的に(最低でも週に1回、できれば数日に1回)新しいものと交換しましょう。 - 白い花:
清潔な花瓶に白い生花を飾ります。季節の花で構いません。常に新鮮な状態を保ち、枯れたらすぐに取り替えます。
注意点
- 盛り塩はホコリをかぶったり、形が崩れたりしたら、すぐに交換してください。古い塩は感謝して、流水で流すか、生ゴミとして処分します。
- ドライフラワーや造花は「生気」がないため、浄化目的には不向きです。必ず生花を選びましょう。
- 花瓶の水もこまめに取り替え、清潔に保ちます。
八角形の鏡を適切な場所に配置する

鏡は光を反射し、気を拡散させる力があります。八角形は風水で「全方位からの守り」を意味し、邪気を跳ね返し、良い気を引き寄せるとされる形です。鬼門から入ってくる可能性のある悪い気を反射・拡散させる効果が期待できます。
具体的なやり方
- 設置場所:
玄関を入って「左側(青龍位)」または「右側(白虎位)」の壁に掛けます。左側は仕事運・金運、右側は家庭運・健康運アップに繋がるとされます。 - 形状:
可能であれば八角形の鏡を選びます。フレームの色は、白やゴールド、木目調などがおすすめです。 - 大きさ:
姿見である必要はなく、壁掛けの小型~中型のものが一般的です。
注意点
- 玄関ドアの真正面には掛けないでください。 外から入ってくる良い気まで跳ね返してしまいます。
- 鏡に階段やトイレのドア、他のドアなどが直接映り込むような配置は避けます。
- 鏡は常にピカピカに磨き、曇りや汚れがない状態を保ちましょう。
照明で明るさを確保し、陰の気を遠ざける

鬼門は陰の気が溜まりやすいとされる方位です。暗い玄関はさらに陰の気を強め、運気の停滞を招きます。明るい照明は陽の気を補い、悪い気を遠ざけ、空間を活性化させる効果があります。
具体的なやり方
- 明るい照明器具:
玄関全体の照明は、できるだけ明るいものを選びます。暖色系の温かみのある光がおすすめです。 - 補助照明の活用:
足元を照らすフットライトや、靴箱の上などに置く間接照明も効果的です。 - 点灯時間:
日中でも暗い場合は、照明をつけておくように心がけましょう。人感センサー付きライトも便利です。
注意点
- 電球が切れたまま放置しないように、すぐに交換しましょう。
- 照明器具のカバーや傘にホコリが溜まらないよう、こまめに掃除します。
- 冷たい印象を与える青白い光よりも、温かみのある光の方が、家庭運には適しています。
玄関マット・色・素材を風水的に見直す

玄関マットは、外から持ち込まれる悪い気をブロックし、家の中に良い気だけを招き入れるフィルターのような役割を果たします。色や素材にも意味があり、鬼門玄関の気を整える助けとなります。
具体的なやり方
- 素材:
できるだけ天然素材(綿、麻、ウールなど)のものを選びましょう。化学繊維よりも気の吸収・浄化作用が高いとされます。 - 色:
鬼門(北東)は「土」の気を持つ方位と関連付けられることもあります。アースカラー(ベージュ、ブラウン、アイボリー、黄色など)や、浄化の色である「白」がおすすめです。赤や黒など、刺激の強い色は避けましょう。 - 清潔さ:
玄関マットは汚れやすいため、こまめに洗濯したり、掃除機をかけたりして、常に清潔な状態を保ちます。
注意点
- マットが汚れたまま、破れたままでは逆効果です。定期的に手入れや交換をしましょう。
- 玄関の外(ドアの前)にマットを置く場合は、家の中に置くマットとは別に用意します。
- 奇抜な柄やキャラクターものよりも、シンプルで落ち着いたデザインの方が、気の安定には適しています。
逆効果になるNG行動・避けたいアイテム
せっかく対策をしても、知らず知らずのうちに運気を下げる行動をしていては意味がありません。鬼門玄関で特に避けたいNG行動やアイテムを確認しておきましょう。
枯れた観葉植物、ゴミ箱、水まわりの放置

- 枯れた・元気のない観葉植物:
ドライフラワー同様、「死気」を放ちます。玄関に緑を置く場合は、常に生き生きとした状態を保ちましょう。 - ゴミ箱・ゴミ袋:
玄関は常に清浄に保つべき場所です。ゴミの臭いや悪い気が溜まる原因になるため、ゴミ箱の設置や一時的なゴミ置きは避けてください。 - 濡れた傘・湿気:
鬼門は湿気を嫌います。濡れた傘をそのまま放置したり、水槽などを置いたりするのは避けましょう。傘立ての水もこまめに捨て、乾燥させます。
暗くて重たい空間になっている玄関

- 自然光不足・照明不足:
前述の通り、暗さは陰の気を強めます。窓がない場合は特に、照明で明るさを補うことが重要です。 - 黒っぽいインテリア:
壁紙や床、家具などが黒や濃い色ばかりだと、空間全体が重く、暗い印象になりがちです。明るい色や、温かみのある色を取り入れましょう。 - 物が多すぎる:
玄関に物が溢れていると、気が滞り、重たい雰囲気になります。常にスッキリと片付いた状態を維持します。
盛り塩や鏡の誤った使い方に注意
- 放置された盛り塩:
交換を怠り、ホコリをかぶったり、湿気で溶けたりした盛り塩は、浄化どころか悪い気を溜め込む原因になります。 - 間違った位置の鏡:
玄関ドアの真正面に鏡を置くと、良い気まで跳ね返してしまいます。正しい位置に設置することが重要です。 - 汚れた鏡:
曇ったり汚れたりした鏡は、効果がないばかりか、悪い気を増幅させる可能性もあります。常に清潔に保ちましょう。
これらのNG行動やアイテムを避け、第3章で紹介した対策を実践することで、鬼門玄関のマイナスエネルギーを効果的に抑えることができます。
まとめ|「整える意識」で鬼門も味方に
鬼門玄関について、不安を感じる必要はもうありません。大切なのは、方位そのものを過度に恐れるのではなく、その場所の環境を「整える」という意識を持つことです。
方角だけを恐れず、環境づくりで運気は変わる
風水の考え方では、運気は固定されたものではなく、住む人の心がけや行動によって変えていくことができるとされています。鬼門玄関であっても、今回ご紹介した対策を実践し、清潔で明るく、心地よい空間を維持することで、悪い気の影響を最小限に抑え、安定した運気を育むことが可能です。
家族が心地よく過ごせる玄関を目指して
玄関は、毎日家族を送り出し、迎え入れる大切な場所です。風水的な対策はもちろん重要ですが、それ以上に、家族全員が「気持ちが良い」と感じられる空間であることが大切です。掃除や整理整頓を家族で協力して行うなど、心地よい玄関づくりを楽しみながら進めていきましょう。
まずは今日からできる1つの対策から始めよう
すべてを一度に行うのは大変かもしれません。まずは、「玄関の靴を揃える」「たたきを拭く」「盛り塩を置いてみる」など、今日からすぐにできることから始めてみませんか? 小さな一歩でも、確実に気の流れは変わり始めます。
鬼門という言葉に惑わされず、正しい知識と前向きな気持ちで玄関を整え、安心で快適な毎日をお過ごしください。